みなさん、こんばんは。今日は、「車がスピンして救急車で運ばれたあの日 その1」の続きを書きたいと思います。
「その1」をまだお読みでない方は、下記リンクからどうぞ
【念のため前回粗筋】
7年ほど前のこと。「圧雪アイスバーン」と化した雪道で、車がスピン!! ぐるんぐるんと回転しながら車は吹っ飛び電柱に激突! 結果エアバッグが飛び出し、頭、目、胸を強打して動けなくなりました…
救急車が来るまでの時間
さて、電柱に激突して車は何とか止まったものの、私はエアバックとシートの間に挟まれて脱出不可能な状態になりました。強打した頭も胸も鎖骨もとんでもない痛さ。このとき一番やばい、って思ったのは、エアバッグが当たった瞬間にボキリと折れた骨ではなく、「どうしよう、頭をやられたかも」ってことでした……。
かろうじて意識はありしゃべれたので、まずは後ろの席に乗っていた息子によびかけました。そしたら、息子がわーわー泣いたので、(あっ、生きてる)って思ったのと同時に、自分の状態は棚にあげて(大ケガしてるのでは!?)って全身から血の気がひくくらい怖くなって、さらに聞いたら、「痛くない、大丈夫だ」って言ったので、ひとまずちょっと安心…
そのうち大破した車周辺にわらわらと人が寄ってきました。最初に来てくれた人は、急いでドアを開けて(幸い、鍵をかけていませんでした!)、「大丈夫ですか! 今救急車呼んだので。他に誰を呼びますか!?」って聞いてくれたんです😭
私は挟まった状態のまま、助手席に携帯電話があることを伝えて、そしたら、その女の人が、すぐに私の携帯から家族に連絡をとってくれました。
そこにもう一人おばちゃんがやってきて、そのおばちゃんは、息子に、「大丈夫かい? これでも食べて気分を落ち着けな」と飴ちゃんを渡してきました。死にかけ状態の私は、(こんなときに飴かよ!!)と思いましたが、今考えたら、息子の恐怖心を和らげてくれたんでしょうね…
その後到着した救急隊員たちに、どうにかこうにか車内から引っ張り出され、救急車へ。ほぼ顔も見えていなかったため、助けてくれた方々がどこの誰だったかは分からずじまいで……。本当に心から感謝しているのですが、お礼を言えなかったことだけが今も心残りです。
せめてもの感謝とお礼に、今後自分がこのような事態に行き会ったら、真っ先にその人を助けにいこう、と決めています。
救急車内で登場したのは見たことのないハサミ!
救急車に乗ってからは、どこが痛いのかを聞かれ、頭、目、鎖骨、胸、と数か所答えると(このときは片方の目がまったく見えなくなっており、とんでもない恐怖でした)、「患部を確認するので服を脱げますか」と言われました。しかし痛みで体がまったく動かないため、脱ぐのは不可能。そしたら、「では服を切りますね。いいですか?」というセリフが。
切る!? どういうこっちゃ?と思いながら、もうこうなったらまな板の上の鯛っすよ。「お願いします」と弱弱しい声で答えたら、なんか見たことない形の、しかもでかいハサミが出てきまして!!!
真冬でコートを着ていたのですが、コートごと、あっという間にジャキジャキっと切られて、びっくり。
この記事を書くために、調べてみたら、救急救命士用のハサミ、というものがあるんですね。
↓
確かに、驚くような切れ味でした。ほんと、一瞬でコートが切れましたんで。一刻を争うときに使うものなんでしょうね。
ちなみに、その日に限って私は、持っている中で一番高い一張羅のコートを着ていまして…こんな危険な状態にありながらも、(ああ、私のコート…高いコート……)って考えていました。人間の煩悩って、ちょっとやそっとのことでは消えないものです…
そして、患部を見た救急隊員さんは、「……ああ…折れてますね、これ。間違いない」って。外側からでもわかるってどういうこと!? どうなっちゃってんの!!?
恐怖はいや増すばかり。
病院から帰される!!
その後はひとまず救急病院に運ばれ、脳、目、胸等のレントゲンを緊急で撮影。鎖骨と肋骨は折れている(!)ことが分かり、しかし、ひとまず脳と目には損傷がない、ということに。しかしこの時点でもまだ片方の目は見えないままで、そのことを告げると、「ぶつかった衝撃で見えなくなってるだけだから、数時間で多分戻ります」とのこと。多分? いいんか、そんなで。そして、さらに衝撃なことが。
「骨が折れているだけなんで、命には関わりませんから。今日は土曜日ですし、ひとまず帰って月曜日にもう一回来てください」
えっ!?
今なんて言いました!? 骨、折れてる「だけ」!!?? えっ、骨折は「だけ」扱いなの!?
さらに言うと、私、目は見えんし、頭がぼこぼこだし(なぜか頭中がぼこぼこにはれ上がっていました)、何より立ち上がることもできないんっすが。そう告げたら、
「じゃぁ、起き上がるのを手伝います」
そう言われて、折れてる箇所をそれなりに固定はしてくれたものの、数人がかりで起こされました。そして、そのあとは何を言っても、「もっと重症な方が入院しているんで。ベットは空けられません」、しまいに「あなたを入院させることで、重傷者が一人死ぬことになるかも知れないんです!!」とまで言われ、無理やり帰されることに。
結局家族の手を借りて、必死に家へと帰り、痛みで一睡もできない土日を過ごし、月曜に再び病院にいったときには、案の定というか鎖骨の骨ががっつりずれていて、結局、手術・入院することに……。とんでもない救急病院、そしてとんでもない経験でした。
意識があったとしても、大変な状態のときに冷静な判断はできません、まして意識がなければどこの病院に運ばれるかは運しだい。救急車に乗った時点で、自分では選べない運命の列車に身を任せたようなものなんです。それか神の手によるあみだくじ!!
交通事故患者ばかりの部屋に入院
この後緊急で入院となったのですが、病室は何と全員交通事故患者。
どんな事故だったかを語り合う会が、部屋では常時開催されており、みんな壮絶!! ベスト2は次の二つでした。
①青信号になったのでアクセルを踏んだら、巨大トレーラーが突っ込んできて、トレーラーの真下に車ごとはまりこんだという20代のお姉さん。首の骨が折れて意識不明の状態に。病室ではもう元気になってお話ししていました。助かって本当によかった!!(涙)
②横断歩道を歩いて渡っていたら、時速100キロの暴走車がどかん!と突っ込んできて、そこから先の意識はないという30代女性。ベッドの上で一生懸命リハビリしていました…(頑張って!!!(涙・涙))
こういう方々の話を聞いたら、確かに自分は軽傷だったんだ、と恥ずかしく、そして病院に対して申し訳なく思いました。頭中じゃがいもみたいにぼこぼこになったけど。3週間まっすぐ歩けなかったけど。でも、彼・彼女に比べたら、間違いなく軽傷です…
無理やり帰され、痛みのあまりまったく眠ることもできない二日間を過ごした時は、呪いの人形を病院の壁に打ち付けてやろうかと思いましたが、そんな気持ちも失せましたです。
そして、最後に私が学んだことをぜひ皆様に。
交通事故から学んだこと
その1 運転席のシートは前に出し過ぎない!
シートを前に出し過ぎたり、ハンドルを抱えるような状態で運転していると、いざ事故でエアバッグが飛び出したときに、急所となる頭や胸に激突し大けがする可能性があります!
その2 車の鍵…運転中はどこか一か所でも空けておくといい
賛否両論あるかも知れませんが、私は運転席のカギが開いていたため、すぐ助け出されました。運転中にはどこか1か所くらい開けておいた方がリスクヘッジになると思います。
その3 緊急メディカルIDを設定しよう!
自分が動けないとき、携帯電話・スマホは家族に連絡をつけるための命綱! 意識がない場合は、誰なのか、という身分証明にもなります。私もスマホのお陰で、家族に知らせてもらうことができました。事故以来、私はアイフォンの緊急メディカルIDを設定し、そこに家族の緊急連絡先を入れています。私以外の第三者も、誰でも開いて電話できます! パスワード等で自分しかかけられない状態になっていると、事故のときは✖!! アイフォン以外も同じような機能があると思いますので、是非とも皆さん設定しておきましょう!!
その4 車が廃棄処分になったらローンは一括返済!
私の車は大破して廃棄処分しかなくなったのですが、何とまだローンが残ってたんです…。この場合、車はローン会社のもの、という解釈になるらしく、まずは一括返済をして自分の物にせねば、廃棄処分ができません!! 放置しておくと、乗ることのできない車に自動車税や車検やがかかってきます。私の場合は、貯金でどうにかこうにか一括返済、そしたら、その事故車をディーラーが下取りしてくれて、次に購入する車をその分割り引いてくれました。
その5 電柱にぶつけたら、電気会社から請求が来るよ!!
電柱にぶつけた場合、その電柱を管轄する電気会社から連絡がきます。私の場合は、警察から電信柱の所有者(電力会社)に電話が行き、私宛に電話がかかってきました。「一体いくら払わされるんだ!?」とドキドキしましたが、「電柱を確認してまいりましたが、ひどい傷ではありませんでしたので、今回はご請求いたしません」という信じられない優しい言葉!! こんなケースもあるんですね。
その5 トラウマに気をつけろ!!
私は事故後数年にわたって、事故を起こした場所を通ると、手足がすーっと冷たくなり、勝手につーっと脂汗が出る、という状態になっていました。意識的に思い出そうとしているわけではなく、むしろその逆なのに。場所が見えてきただけで、勝手に体が反応するんです。これがトラウマ、というヤツなんですね。
うちの息子に至っては、事故で怖い思いをした上に、母が車内から救出され、救急車内でハサミで服を切られるところまで見てしまい、その後、1年に渡って、恐怖のため車に乗ることができなくなってしまいました…。
楽しいはずの小学校のバス遠足なども、恐怖のあまりバスに乗ることができないため欠席。「どうしよう、このまま一生車に乗れなかったら……」「私のせいだ…息子よ、ごめん!!!」と思っていたら、2年目あたりから、ようやくちょっとずつ乗れるように。少しずつ少しずつ量を増やし、今ではやっと元に戻りましたが、聞いてみると、「仕方なく乗っているだけで、実は今でも車が怖い。できれば乗りたくない」とのこと。トラウマは拭い去られていないようです……。
身体のケガは治っても、心に負ったケガはなかなか難しいのだと…自分のことでも息子のことでも思い知りました。
実はこの記事も、これまでは書くことが出来なくて、こと7年目になって、ようやくこうして書くことが出来た次第です。
みなさんも、交通事故にはくれぐれも、本当にくれぐれもお気をつけください!!
長文、最後までおつきあい頂きありがとうございました。
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