どうも、tamaminaoです。
サンクコスト、という言葉を知っていますか。
サンクコスト(埋没費用)とは、すでに支払ってしまい、取り返すことのできない費用のこと。ここから、過去に支払った費用や労力を惜しみ、さらに投資を継続してしまう状態を「サンクコスト効果」と呼びます。
つまり、
「もったいないから…」「ここまで頑張ったんだから…」
という理由で、撤退する、辞める、等の合理的な判断ができなくなる状態がサンクコスト効果。
『インベスターZ』で描かれるサンクコスト効果
サンクコスト効果の事例としてよくあげられるのは映画館。
『ドラゴン桜』の作者としても有名な三田紀房さん。投資をテーマにした異色漫画『インベスターZ』も描いておりますが、この漫画に実に分かりやすく映画館でのサンクコスト効果の事例が描かれています。
主人公の財前孝史は、高校の投資部(投資部は秘密の存在です)の先輩に、指定した映画を一人で見るよう指示されます。理由が分からないまま、映画館で代金を払い、映画を見始めますが、これがあまりにもつまらない。財前は続きを見ることなく、途中で映画館を出てしまいます。すると、外には、投資部の先輩たち。
さて、何分で出てくるかな?と時間を計りながら待ち構えていた、というオチ。ちなみに、財前は21分での退出でした。「これによって投資家としての資質がわかる」とキャプテンの神代は告げます。
投資家の資質とは
「投資」には、「損切り」と言う考え方があります。
それまで支払ったコストよりも、その作業を途中で打ち切った方が、結局は安く済む場合がある、ということです。つまり、「これだ」と思った時は失敗を怖れず行動し、失敗した場合は早めに受け入れ、軌道修正ができるかどうか。それが投資家の重要な資質だということなのです。
つまり、一時的に映画代を損したとしても、「観る価値なし」と判断したら途中退出する、それが「投資部」的には◎な行動となります。
さて、皆さんは映画がつまらなかったら途中退出する派、最後まで見る派、どちらでしょう?
私は常にがんじがらめです
さて、私自身はどうなのか。こんなテーマで書いていると、さぞや投資家マインドに満ちたタイプなのかと思われるかも知れませんが、逆です、逆。
「くそつまらねぇ」と思ったとしても、映画館には最後まで居座るし、本もできる限り最後まで読みます。もう生理的に無理だわ、1Pにも先に進めんわ、ってくらい自分と合致しない場合もまれにあり、そんなときはそっと本を閉じますが……頑張れば行けるで~!って場合は、最後まで頑張っちゃいます。
そう、私は常にサンクコスト効果にがんじがらめなタイプなのです。
多分、サンクコスト効果とは真逆な発想なんです。
最後までたどり着くことで、手に入る地平や知識や「何か」があるんじゃないか、と、まぁそう思っているわけです。幻想だと言われればそうなのかも知れませんが、幻想で終わらないこともままあり、だからこそ、こんなことを続けるのかも知れませんね。
2人の同僚から相談を受けて感じたこと
先日、30代後半の同僚(A子さんとします)から、「この会社辞めようかなって思って」と相談されました。A子さんはシンママで、子供2人を養っていますが、給料が安すぎて生活していくのがしんどいので、もっと給料のよい会社に移りたい、と話していました。
私はその言葉を聞いて、「年齢的にチャンスがあるうちに転職した方がいい」って答えました…彼女の人生を考えたら、ここで立ち止まることにプラスはないと思ったから。また同時に、彼女の相談内に、自分が辞めることで同僚が困る、お客さんに申し訳ない、等の感情が一切ないことに羨ましさも感じました。
まさに投資家マインド。やってみたけどダメだったから、やめてもっといいところ行きますわ!っていう、よくも悪くもとても前向きな発想。
で、もう一名同じく50代の先輩(B美さんとします)からも相談を受けていたのですが、彼女は体力的に今の仕事がきつくてやめたいけれど、後任を育てるまでは部署に迷惑がかかる、よくしてもらっているお客さんたちも困らせる、そう思うと辞められない。そう悩んでいました。付け足しておきますと、A子さんと比べてB美さんが経済的に潤おっている、生活に余裕がある、ということは決してありません。
「サンクコスト効果」で考えると、合理的でないのは50代のB美さんなのでしょうね。でも、私が共感してしまうのはやっぱりB美さんの方なのです。
待遇が悪くても責任感を持って頑張るなんて、「会社にとって都合がいいだけだ」って考えたこともあります。でも、辞めずに積み上げてきたことで「見えてきたもの」や「やりがい」もあり、だからこその彼女の拘泥と悩みなわけです。
投資の世界の「損切り」のように人間の感情って簡単には割り切れない。
かけてきた労力や時間に見合うリターンって、お金だけじゃないから。これって、ブログを続ける意味にも通じるものがあるのかも知れません。
今日はこのくらいで。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
はてなブログの方は、読者登録をお願いします♪