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恋愛妄想を満たしてくれる「都合のいい」イケメン? 『東京ネバーランド』(吉川トリコ)

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どうも、tamaminaoです。

ブログが3週間ほど空いてしまいました。最低週1でアップしたいと思うものの、なかなか時間が取れず…。皆さんのところにも読みに行けていず、申し訳ありません。

ちょっときっかけがあり、現在、お金関係の整理整頓に力を入れていて、FPの方にライフプランもお願いしています。65歳以上の老後資金がどの程度になるのか等もいったん整理しようかな、と。面白い話が書けるようなら、いずれブログで紹介できたらと思っています。

そんなわけで、日々忙しく過ぎているのですが、お昼休みや寝る前や、唯一の気晴らしはやっぱり読書(;´∀`) 心が癒しを求めるのか、主に小説ばかり2日に1冊ペースで読んでいます

今日は私の好きな作家、吉川トリコさんの『東京ネバーランド』をご紹介します。

 

『東京ネバーランド』(吉川トリコ)

つかみどころのない不思議な男、波多野一人(通称ヒトリ)が主人公。あるときはデリバリーホスト、あるときは十代相手の便利屋と、定職を持たず様々な女性のもとを渡り歩いています。彼と女性たちとの関係を描いた6話のエピソード。

一話一話の始まりに少女漫画テイストのイラストが挿入されていて、ストーリーもどこか少女漫画チックでさらっと読みやすい小説です。どこにいても女子の注目を集め、「何かしでかしてくれる」存在として期待を集めてしまうヒトリ。

いわゆる、ジゴロっぽい、ホストっぽい、「家庭」「安定」「経済力」等の言葉からはるか遠いところにいる存在なのですが、そのイケメンぶりとミステリアスさで常にモテモテ。実は頭もイイらしい、です。

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「だめなメンズ」を略して「だめんず」

ちょっと昔、主に女性から見てダメな男子(例:浪費家、浮気性、暴力的、等)を「だめんず」と呼ぶことが流行りました。記憶に新しい方はいらっしゃいます?(私はまだ新しい(;´∀`))

倉田真由美さんの漫画『だめんず・うぉーかー』が語源。2000年から2013年までSPA!で連載されていた漫画なので、もう20年くらい前のことになります…

LINEマンガでも読めるようです。

manga.line.me

 

倉田真由美とえいば、女性600人斬り、3回離婚、というものすごい相手(←映画「アメリ」の買い付けで有名になった、映画プロデューサーの叶井俊太郎さん)と再婚して、「さすが、すごいだめんず選んできたね!」と話題をふりまいたこともありました…こちらも、覚えてる方いるかな(^▽^;)

 

昔は「だめんず」、今は「都合のいい男」

ちょっと話が脱線しましたが、なぜ「だめんず」を持ち出したかといいますと、主人公のヒトリは、20年前ならいかにも「だめんず」で、いわゆるだめんずホイホイ女子がうっとりと飼育しそうな男性だったと思うわけです。

『東京ネバーランド』の初版は2012年。『だめんず・うぉーかー』から12年の時を経て、ヒトリタイプは、「だめんず」どころか、女性にとって「都合のいい男」へと出世?したのではないかと、そう思いながら読みました。

実際、『東京ネバーランド』の帯には、

「孤独をうめてくれる美青年。想像しただけでドキドキするシチュエーション。ヒトリ、私もネバーランドに連れていって!」

「いつの間にかヒトリという男が気になって気になって仕方なくなる。そして最終章でストンっ!と落ちます。そう、恋に。まっさかさまに。」

等の書店員たちの推薦文が書かれており、

「ヒトリ恋メン(ヒトリに恋するメンバー)急増中」のあおり文句も。

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恋愛の「いいところ」だけを味合わせてくれるイケメン王子

ヒトリと関係を持つ女子にはさまざまなタイプがいるのですが、小学生・中学生二人の子供を持つ、もう若くない主婦や、風呂にも入っていないホームレスのような女子が相手のことも。

恋愛市場では相手にされないような女性とも差別なく性愛関係を持ち、彼女たちの生き方に口出し等は一切しません。相手を選ばず、恋愛の醍醐味だけを味合わせてくれる、イケメン王子。

思うに、10年の時を経て最も大きく変わったのは女性の経済力なのかな、と考えました。女性に経済力がなかった昔であれば、ヒトリのような男子は「だめんず」だったかも知れませんが、女性側がそこそこ経済力を持ってくると、恋愛妄想を都合よく満たしてくれる重宝な存在へと変わってきたんじゃないか、と。

新しい理想男子の1パターン?

私自身は昔から「イケメン」にほぼ興味がないため、ヒトリタイプにはまったく興味がありませんが、もし現実にいたら、非常に尊い!とは思います。

こういうのって男女逆にすると分かりやすかったりするのですが…例えば、ものすっごい美人でエロくてミステリアスでその上頭もいい女子が、さえないオジサンや、お風呂にも入らない不潔男子相手に、彼らの生き方に干渉や否定を一切することなく、ただただえろ~くお相手してくれる!!!

尊すぎる!! こんな女性がリアルにいたら、手を合わせて拝むしかありません。

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ヒトリも、そんな存在ですよ。

古いように見えて、実は新しい理想男子の一パターンなのか。

まぁ、本の中でしか会えませんが(;´∀`)。ヒトリと会ってみたい方は、ぜひ『東京ネバーランド』を読んでみてください。

 

今日はこのくらいで! 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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