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映画「アイアンマン」のモデルはこの人 『イーロン・マスク 未来を創る男』を読む

どうも、tamaminaoです。最近自分の中で「天才」「ギフテッド」などがちょっとしたブームです。前回書いた数学者のお話も、その系譜です。

また、私は将棋を見るのが好きで、棋士の生き様を描いたルポや漫画や文学作品が大好物なのですが、考えてみたら、こちらも「天才」的な生き方への憧れなのかも知れません。

 

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そんなわけで、今回は、「デスクの下で仮眠をとる」「1日17時間労働」「映画『アイアンマン』のモデル」等々 個性的なエピソードに事欠かない現代アメリカを代表する実業家、イーロン・マスクの生き様に手を出してみました。

 

 

アイアンマン(字幕版)

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  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 

 

『イーロン・マスク 未来を創る男』を読む

今回紹介する1冊は『イーロン・マスク 未来を創る男』アシュリー・バンス 斎藤栄一郎訳(講談社)

 

イーロン・マスク 未来を創る男

イーロン・マスク 未来を創る男

 

 

【イーロン・マスクの経歴】

1971年、南アフリカ生まれ。有能なエンジニアである父とモデルでもあった美貌の母のもとに生まれる。後父母が離婚して、マスクは父親と同居。24歳でオンラインコンテンツ出版ソフトを提供するZip2社を起業、その後オンライン決済サービスを行うX.com社の共同設立者に。会社が買収されたことにより莫大な利益を得る。その利益を元手に3つ目の会社として、宇宙輸送を可能にするロケットを製造開発するスペースX社を起業。さらに電気自動車会社テスラ・モーターズ社の会長兼CEOに就任、従妹と共同で立ち上げた太陽光発電会社ソーラーシティの会長でもある。今や世界第二位の富豪まで上り詰め、今年1月には一時アマゾンのジェフ・ベゾス氏を抜いて世界一に! 

  

スペースX社のここがすごい

マスクが創業した商業宇宙ベンチャー、スペースX社。そのすごいところは、とてつもない巨額の資金が必要とされる宇宙産業に民間から参入し、「本当に少人数で一から低コストのロケットを造ろうとしていた」ところ。

「バカやつら」「宇宙産業の大ボラ吹き」というのがスペースX社への当初の反応でした。

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しかし、マスクはそんな声は一切意に介さず、「“宇宙分野のサウスウエスト航空”になる」というミッションを社員に伝えます。サウスウエスト航空は、格安航空会社としてコスト削減を徹底していますが、人件費は削らず、収益率も他社を上回る優良企業として知られています。スペースXも、低コストながら優良企業を目指す、という宣言だったわけです。

高品質で低コストのエンジンを開発し、組み立てプロセスを見直すことで、どこよりも速く安くロケットを製造する方針を掲げた。また、同社の設立には、ロケットビジネスに対する米国の新たな挑戦という意味合いもあった。マスクは、宇宙産業がこの50年ほどはまったく進歩していないと感じていた。航空宇宙会社側の競争など存在しないも同然で、彼らは最高性能の製品をきわめて高価格で作りたがる。本来ならホンダのアコードで目的にかなうところを、打ち上げのたびにフェラーリを作っているようなものだったのだ。これに対してマスクは、シリコンバレーで身につけたベンチャー手法を生かし、スピード経営、リーン経営によるスペースXをめざした。

 

4度目の正直で打ち上げに成功

スペースX社が制作したロケットファルコン1は、3度の打ち上げに失敗しています。2008年、4度目の打ち上げでついに成功するのですが、実に6年かかっており、当初のマスクの計画より4年半以上の年月がかかりました。

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この間、テスラ・モーターズ社も危機的な状況に陥り、マスクは自己資金を投入し破産覚悟で事業に邁進します。そして、もう次はない、という4度目の打ち上げでようやく成功するのです。

この打ち上げ成功後、スペースXはほぼ月1回のペースで、企業や国家の依頼により人工衛星や国際宇宙ステーションへの補給物資を宇宙に運ぶようになります。宇宙産業で強大な影響力を行使できる存在となっていくのです。

  • 1回の打ち上げ費用は6000万ドル(約72億円)と、欧州や日本には真似できない低価格を実現。比較的低価格を打ち出すロシアや中国にも負けていない。
  • ライバル各社が部品調達をロシアなど海外の下請け業者に頼っているのに対して、スペースXは米国内で一からすべて自前で作り上げている。

スぺースXという民間企業の登場により、米国は再び世界の商業ロケット市場で有力プレイヤーとなることができたのです。

 

すべてはより大きな目標のため

 私が何よりすごいなと思ったのは、マスクが目指す到達点、夢の大きさ。ロケットを打ち上げる、というだけでも十分すぎる大きな目標ですが、マスクにとってはそれは小さな一歩にすぎないのです。彼の目指す目標とは、「宇宙移民の実現」

人類を国際人ならぬ“惑星間人”にし、地球にとどまらず惑星をまたにかけて活躍する種に進化させたい

でかい!!!! 壮大な目標です。

マスクは、具体的に火星に自立型の都市を建設することを考え、一つひとつ夢への準備を進めているのです。

 

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目標までの射程が長いから大きなことが実現できる

安野モヨコさんという漫画家がとても好きなのですが、『働きマン』(講談社)という作品の中に印象的なシーンがあります。ちなみに、安野モヨコさんはエヴァンゲリオンの庵野監督の奥様としても有名です☆

 

働きマン(1) (モーニングコミックス)

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働きマン(2) (モーニングコミックス)

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働きマン(3) (モーニングコミックス)

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働きマン(4) (モーニングコミックス)

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主人公が勤務する出版社の入社面接で、「入社したらぜひ海外文学の独立した部署を設けたい!!と強く感じました」という学生が登場するのですが、それに対し、面接官の一人が言います。

 

たいていのヤツはボールを「入社」に向かって投げるから最高でも「届く」で普通はもっと手前で落下する

ところが目標を「入ってから何をするのか」「どうなりたいのか」に設定すれば自ずと遠くへ投げるから結果として「入社」は飛び越えている(『働きマン2』安野モヨコ)

 マスクのとんでもなく大きな目標を読んだとき、『働きマン』のこのシーンが浮かびました。射程距離の長い大きなビジョンを持っていると、「そりゃできないだろ」と周囲から思われること(ロケットを飛ばす等)も、ビジョンのために越えていくスモールステップに過ぎないのです

働きマン コミック 1-4巻セット (モーニングKC)

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 棋士羽生善治の真にすごいところ

私の好きな将棋の事例もあげてみたいと思います。羽生善治棋士は七冠すべてを独占した偉業を持つことで有名です。しかし、彼の真にすごいところは、自分がその才能と努力で蓄えた将棋の手筋や読みをすべて、世の中及びライバルである棋士たちに開示したところなのです。それが『羽生の頭脳』(将棋連盟文庫)という全10巻のシリーズ。

 

羽生の頭脳1 四間飛車破り (将棋連盟文庫)

羽生の頭脳1 四間飛車破り (将棋連盟文庫)

  • 作者:羽生 善治
  • 発売日: 2010/05/25
  • メディア: 文庫
 

 

 

 

この本によって、将棋界のレベルは格段に上がった、と言われています。勝負師として自分の頭の中身をさらすことは弱点をさらすこと。相手に研究されるので、今後勝つことが難しくなるかも知れません。しかし、羽生さんは「そんなこと」は意に介しませんでした。要するに、自分一人が勝ち続けること、という小さなレベルは目指していないのです。そんなところはとっくに飛び越えていて、将棋という競技そのもののレベルを底上げしたい、将棋界のために自身の頭脳を捧げる、彼の夢や目標はそこにあるわけなのです。

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そのビジョンのためには、自分がとんでもない時間と努力を費やして積み上げてきた読みのすべて、頭脳のすべてを開示して何ら構わない、羽生さんはそういう人物なのです。

 

イーロンマスクの人間性も読みどころ

 

イーロン・マスク 未来を創る男

イーロン・マスク 未来を創る男

 

 

とにかく読みどころ満載の1冊ですが、ちょっとワイドショー的な読み方をしますと、イーロン・マスクの人間性、というのも注目どころ。1人目の奥さんに(2回離婚しています)、「部下だったらとっくに首だ」Σ(・□・;)発言をしたり、『アイアンマン』の秘書のモデルにもなっている10年来の秘書を突然解雇したり。給与の改善を申し出たところ、どの程度の価値があるか見極めたいから2週間休んでくれ、と言われ、休んで出社したら、必要ないから辞めてこれ、と言われたそうです……こわっ!!!

天才って…と思うエピソードが色々出てきます。

ジョブズより人間性は上だし、ビル・ゲイツよりも洗練されていますよ

 私的には上の評価が面白かったです。

 

前澤元社長の月旅行はイーロン・マスクが計画したもの

また、最後に一つご紹介。ZOZOの元社長である前澤友作氏が月旅行に参加する、と一時期話題になっていたのを覚えていますか?

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あれ、実はイーロン・マスクCEOが計画しているものなのです。当時はマスクに特に興味がなかったため(;^_^気づいてもいなかった私。

最大9人の搭乗者を乗せ、費用は756億円以上になるようです。とんでもない富豪しか乗れませんね。

 

ではでは今日はこのあたりで。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

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