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現役編集者によるおすすめの本や漫画の紹介です。

どの科学者がタイプ!? 『恋する天才科学者』

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どうも、tamaminaoです。

引き続き、数学、数学者、科学者への興味が私の中で沸騰しています。

バリバリ(死語ですか?)の文系で、びっくりするくらい計算とか苦手なんですが。息子に「確率」の問題聞かれて、「確率って何?」と返すレベルです。

 

tamaminao.info

 

そんな私が数学、数学者、科学者に興味があるというのは、ひとえにその「人間性」が面白いから。本日読み終えた『恋する天才学者』内田麻理香(講談社)も、男性科学者16人の素晴らしい業績と天才性に触れつつ、その人間性や恋愛遍歴に迫った1冊。大変私好みでした。「変人」目白押し。

中でも興味深かった数名をご紹介させて頂きます。

 

 

 

 

羨ましすぎる「チャールズ・ダーウィン」の優雅な生活

教科書でも必ず習うチャールズ・ダーウィン。『種の起源』を出版し、自然選択を原理とした進化論を提唱した人物。進化論って何?というレベルでも(当然私もそうです)、彼の名前を聞いたことがない、という人はほとんどいないでしょう。

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 このチャールズ・ダーウィン、働く必要がなかった、うらやましすぎる環境の人なんです。

この本で初めて知ったのですが、母方の祖父は、あの有名な「ウェッジウッド」!! そう、「英国王室御用達」の陶芸業者であるウェッジウッド、その創業者ですよ!!

30代の頃、器にはまったことがあり、少しだけ集めたことがありました。ウェッジウッドの器。素敵ですよね~。

ダーウィンは、従妹であるエンマ・ウェッジウッドと結婚するのですが、エンマの父は二代目ウェッジウッド(ダーウィンの叔父にあたります)。この結婚に際して、5000ポンドの持参金、さらに年間400ポンドずつおくることが約束されました。そもそも、ダーウィンは、父からも支援を受けており、既に働く必要のない環境。そこに、さらに妻の親からの支援もまで加わり、あとはもう、ひたすら好きな博物学に傾倒すればよいという状況。使用人もたくさん雇っていて、「必要だけど面倒な家事」に煩わされることすらなかったそうです。この恵まれた環境の中でダーウィンの研究は進んでいったわけです。

羨ましすぎます。ため息もらしまくりながら読みました。

今生では無理すぎるので、功徳を積んで、生まれ変わったらこうなりたいものです。1度の生まれ変わりくらいでは不可能なレベルでしょうか…

 

女子にモテまくった「アルベルト・アインシュタイン」

アインシュタインと言えば、下のような写真が有名。

ボサボサ髪に舌をべろーん。3歳まで話せなかった、暗記科目が苦手、キレる子供だった、などの発達障害的なエピソードもよく知られており、正直、モテるイメージはあまりありませんでした。

しかし、これがまぁ、モテたんですねぇ。

結婚は2回ですが、その間にもさまざま浮気相手がおり、ノーベル物理学賞を受賞してからは、「女性からのアプローチも猛烈なものとなり」、来るものは拒まず状態で、自分の秘書になるよう手配したり、女性問題を絶えることなく繰り返していたそうです。あっ、この時期も奥さんはいたので、不倫を繰り返していたということです。

まぁ、罰があたったというか、母親が苦しむのを見続けてきた息子たちからは後年見放され、関係がうまくいかなったようです。

「上半身は考えたり計画したりするが、僕らの運命を決めるのは下半身」

アインシュタインが残している言葉です。アインシュタインの脳みそをもってしても、下半身は制御できない。すごいっすね(爆)

 

お好きな女子にはたまらない。破滅的美少年「エヴァリスト・ガロア」

上2人に比べると、一般的な知名度はがくんと低いのですが、理系の方、特に数学系の方はご存知かと。

このガロアですね、現在残されている写真を見ると、古くて恐縮ですが…竹宮恵子の『風と木の詩 』に登場してきそうな、ゅっと細面で中性的で意地悪そうな美少年なんですよ。

 

 

この美少年、「ガロア理論」を打ち立てた数学の天才少年で、わずか20歳で、恋愛沙汰をめぐる決闘で、相手から短銃で撃たれて死んでしまいます。どうです? ものすごく興味湧きませんか。

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実は彼の論文はあまりにも先進的すぎて、その数学的業績を理解できる数学者は同時代にはいませんでした。ガロアの死後40年たって、フランスの数学者ジョルダンがガロアの理論を解読して発表。それをきっかけに名声が高まり、100年後には何と量子力学に応用されるように。現在でもガロアの思想の枠組みは数学、物理学、コンピュータなどで生きているそうで、ものすごいことですね。

 

あなたの好みは、どの天才?

 この本で紹介されている16人の科学者は、作者である内田麻理香が「私が惚れ込んでしまった「いい男」」(まえがきより)という観点から選んだそうです。いいですね、下世話で!!!

各章の最後には、彼らの「いい男」度を、「坊ちゃん育ち」「叩き上げ系」「家庭的」「浮気性」いうグラフで評価する、という「独断と偏見」のチャートもつけられています。

これから手に取る方は、「私ならどの天才を選ぶかしら!?」というゲスな視点からも読んでみてください。

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「生まれたままの姿」で暮らす南方熊楠がスゴすぎる件

私的には、「いい男」「恋愛」と言う観点から見た場合、とにかく一言、

「南方熊楠だけは無理です」

という思いがあふれました(爆) すいません。

いや、学者としては本当に本当にものすごい人なんですよ。博覧強記、という言葉が熊楠ほどぴったりの人間は今までもこれからもいない、と思うくらい、とにかく学者としてものすごい!!! しかしながら、

  • ほとんどの場合「生まれたままの姿」でいた
  • 結婚生活は「しらみ退治」から始まった(そう!!奥さんがいたんです、熊楠!)

等の「奇人変人」エピソードのレベルが凄まじすぎて、熊楠と結婚したという奥様には尊敬の念しかありません。

私は、漫画家水木しげるの伝記モノも大好きなんですが、水木しげるが描く南方熊楠がこれまた強烈で。もう「怪人」の域です!!!!

小便を頭の上からひっかける、とか!!Σ(・□・;) ぜひ一度読んでみてほしいです。

 

 まとめ

さて、今日紹介した1冊は『恋する天才学者』内田麻理香(講談社)でした。

 

興味を持った偉人についてさらに深く調べていけるように、巻末に参考文献がついているのも、よい試みだと思います。うちの息子にもぜひ一読を勧めようと思っています。親子で読んで、「あのエピソードすごかったね!」と語り合うのも盛り上がる1冊だと思いますよ~

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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