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性格の悪い女ほど同性に人気! 世界の女性政治家を論じた『女たちのポリティクス』(ブレイディみかこ)

※ 本記事には広告のリンクが含まれます。ご了承ください。

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どうも、tamaminaoです。このところ目の調子が悪くて、ブログから遠のいていました。更新できないのはもちろん、皆さんの記事もなかなか読みに行くことができず…残念すぎます。

実は老眼が顕著に進み、スマホやパソコンを長い時間見ていると目に激しい痛みが出るようになってしまいました。今は眼鏡の調整と、眼科でもらった目薬で対応中です。

そんなわけで、今日のブログは、「音声入力」に初チャレンジしてみました。パソコンの音声入力を使いたかったのですが、なぜか繰り返しエラーが出て設定できず、結局スマホの音声機能を使って入力しています。

スマホの入力画面を出すと、右下にマイクのマークが出てくるんです。ここを押してスマホに向かってしゃべるだけ! それだけで、ブログに文字が入力されていきますので、私のような目が辛い方、キーボードを打つのが疲れたという方、ぜひぜひ試してみてくださいね。

 

世界の女性政治家を紹介する『女たちのポリティクス』

さて、今日は最近読んだ本の中でとても面白かったブレイディみかこさんの『女たちのポリティクス 台頭する世界の女性政治家たち』を紹介します。

 

この本は、著者が住むイギリスや日本を中心に女性の政治家たちを紹介するもの。「すごい」方たちばかりではなく、様々なタイプの政治家を紹介しています。

例えば、「非常に弱いリーダー。というか、全くリーダーではない」などと表されたイギリスのメイ元首相。無能さを国民中から酷評された首相だそうですが、その動きの硬さや、党大会の演説の壇上でぎくしゃくしたダンスを突然披露したことなどから、「メイボット」と言うあだ名までつけられたそうです。私はメイ首相についてはほぼ知識がなかったので、「そんな人だったんだ!」と驚きながら読みました。

 

フェミニストは「個人主義」派と「ソーシャル」派に分裂

また、中でも興味津々だったのは、やはり日本の女性政治家の紹介。東京都知事小池百合子さんについて語られた「小池百合子とフェミニズム」の章は特に面白かったです。

この章の中で、フェミニストたちの世代間分裂と言う話が出てきます。ネット上で広がった「#MeToo運動」を紹介し、そこに参戦した女性たちの意見が、「個人主義」陣営と「ソーシャル」陣営に分裂している、と言う指摘です。

 

「#Me Too」運動

性的嫌がらせなどの被害体験をTwitterやInstagramなどのSNSで、告白や共有する際に使用されるハッシュタグのこと。そもそもは、ハリウッドの映画プロデューサーによるセクハラ疑惑報道を契機に、女優のアリッサ・ミラノさんが、同じような被害を受けた女性たちは”me too”と声を上げよう!とTwitterで呼びかけたことが始まり、とされています。

 

小池百合子は「個人主義」派

さて、「個人主義」陣営と「ソーシャル」陣営、両者はどのように違うのか。

「個人主義」陣営は、女性は弱者ではなく個人的意思を持った自由な個人として扱われるべきだと信じる人々。自己責任論や困難に打ち勝つ意思を重んじる、と言うことになり、極端に言うとセクハラも個人の地位と根性で乗り切れ、と言う主張になります。

それに対して、「ソーシャル」陣営とは、女性の問題を、個人的な問題ではなく、社会的政治的な問題であるとみなす立場です。セクハラのような問題と戦うために必要なのは、個人レベルでの鍛錬や強さではなく、被害にあう立場にある者たちの連帯だと考えるのです

さて、小池百合子さんは個人主義派、ソーシャル派、どちらだと思いますか?

著者は、小池百合子さんの立場を表す例として、「経済界」のサイトの対談をあげています。

女性だから制約があるわけではないので、できない理由にはなりませんし、女性だからといって甘えるのは最低です。これからは知恵と根性比べの時代です。男女は関係ありません。知恵を絞って新しい世界最大の企業を目指してください

著者のブレイディみかこさんは、この発言に対して次のように言います。「女だからと言って甘えるな、知恵と根性で乗り越えろ、と言うのは、#MeToo運動に反対した中高年の個人主義的フェミニストたちの主張とよく似ている。海千山千で、難局を乗り越えて女が出世することが個人主義的フェミニズムのプロトタイプなら、小池はまさにその究極の完成形である気がする」。

冷酷で虚飾まみれ、利用できる人は利用する!?

都知事選の前に出版されてベストセラーとなった『女帝小池百合子』(石井妙子著)という本があります。

私は未読なもので…ブレイディみかこさんの引用でしか判断できないのですが…「サイコパスを彷彿させるような彼女の冷酷さや、虚飾まみれの人生、利用できる人は利用し、できなくなったらさっさと捨てる」、ものすごい人間性が描かれているそうです(^▽^;) 

まぁ、本当か嘘かはおいておいて、このような内容が書かれた本が出たにも関わらず、「彼女の人気が大きく損われる事はなかった」と言うところに、著者は「これは、一体どういうことなのだろう」と疑問を呈しています。

「正解や官僚のおっさんをひれ伏せさせている小池の姿にこそ、家庭で、職場で、男性たちから不当な扱いを受けている女性たちはしびれるのかもしれない」。

この指摘に、私は非常になるほどと思わされました。真偽のほどは分かりませんが、冷酷で利用できる人は利用する、そんな性格の悪さが前面に出ている女性であればこそ、百合子ちゃんは同性から大人気!!というわけです。

大変逆説的で面白い指摘だと思いました。

顔のアザを隠すための化粧

また、これは余談でもありますが、小池百合子さんは右目の下に生まれつきアザがあるそうです。私はこの本で初めて知りました。かつて選挙の際に石原慎太郎が、「大年増の厚化粧」と小池百合子を揶揄し、世間から避難囂々だったことを覚えている方も多いかと思います。厚化粧はアザを隠すためだそうで、私はまったく記憶にないのですが、「隠すためには化粧をやらないといけない」と石原慎太郎の発言に答えたそうですね。

私自身は、ニュースキャスターと言う経歴からも、彼女はずっとその美貌を武器に生きてきた人と思っていました。もちろん頭の良さや戦略的な側面が当然あるでしょうが、特に女性の場合、身も蓋もない話ですが、美貌というのは世の中を渡る上でとんでもない武器になります。政治家に転身する際にも、有権者の心をつかむ大きな力になっただろうと思われます。

しかし、この本で実はもともと顔に大きなコンプレックスを抱えていた人なのだと知り、そういう人が、「美人」ひしめくキャスターという職業を選んだところに、素直に「すごいな」と思いました。彼女の挑戦して行く姿勢と負けず嫌いさが表れていますよね。私は小池百合子さんのことが、特に好きでも嫌いでもありませんでしたが、この逸話を知ってからは、彼女のことが好きになってしまいました。

これって…先ほどの性格の悪い女子(出世している、ガラスの天井を破っている限定!)ほど同性が憧れてしまう、の典型例なんでしょうか…。

「僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー」

ブレイディみかこさんの本は、『僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー』もお勧めです。文庫にもなりましたので、未読の方はぜひ。

 

さて、なんとか音声入力でここまでたどり着きました。どうしても誤字脱字が出る、アルファベットがうまく変換できない(私の発音が悪いから?)、等の問題点がありますが、かなり楽です。ただ、やはり最後は画面を見ながら手入力で直していく必要がありますね。この後整えてから、アップしようと思います。あと、イラストや写真を入れられない、という難点が…。今日は文字ばかりで申し訳ありません。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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