どうもtamaminaoです。
連休に入りましたね。皆さん、いかがお過ごしでしょう。
私は初日から持ち帰り仕事があり、午後の時間はずっとパソコン前でした。結構な長文を書いたため、1週間ほど前から悪化している腰痛が疼いていますが…結局続いてブログに向かってしまいました。
地獄の沙汰も「金」(かね)次第
突然ですが、最近、「お金」←ずばりマネー のことばかり考えています。基本的に私はあまり「お金」を使わないタイプの人間ですが、性根のところでは、ずっぽり「金」に埋もれ切った生活をしてみたいと夢見ています(わぁ、最低)。
しかしながら一方で、「金」のことばかり考えるから「金」にとらわれるんだ、「金」「金」言わない生活、という方向性もあるんじゃないか、と考える自分もいるわけです。
そんなわけで、ここしばらくは「お金」を使わない生活に注目。主に日本で、お金を使わずに生きる方々のルポタージュを読んでおりました。特に興味深かった1冊をご紹介します。
『年収90万円でハッピーライフ』(大原扁理)ちくま書房
東京で週休5日(!)の隠居生活を送る大原扁理さんによる著書。ちなみに、現在は台湾で隠居生活を送っているようなので、初版当初2019年前後のエピソードということになります。
大原さんは、衣食住の「住」にかかる部分をまずは減らそうと、東京の多摩地区で家賃2万8千円のアパートに住み、週に2日程度介護関係のアルバイトをして、後の5日間はただのんびりゆったりと暮らしています。
日々の食事は玄米菜食で、丁寧に自炊。野草を採っていろいろな野草料理を作ったり、かと思えばスコーンを焼いてリンゴジャムを作ったり。趣味は読書と散歩。「ちょっと離れたところに、でっかい本棚を持ってると思えばいい」と読書は図書館を利用しています。身体と心の声を聞きながら、あせることも周囲と比べることもなく日々をただただしっかりと生きています。
この人のすごいところは、隠居生活を送ることの裏側に、何かの主張や主義や宗教があるわけではないところ。疑り深い私としては、ああ、ならば、こんな変わった生き方をしているオレ、どうだい?という自己顕示欲の人なのかな、と思うわけですが、それも感じられず。つまり、「何か」のため、「誰か」のためにしている隠居生活ではないのです。ただただ自分のハッピーを追及していったら、最低限しか働かないという現在のスタイルに行きついた、というただそれだけ。
これは、社会的成功から乗り遅れまくったら、不幸になるどころか毎日が楽しすぎて、ジョーシキっていったい何だったんだろう、進学しなきゃいけないとか、就職しなきゃいけないとか、結婚とか子育てとか老後の蓄えとか、資格も技能もマナーもテレビもスマホも友達も、なくても生きていけるものばっかりじゃん。もー自分しか信じないもんね。何が幸せとか自分で決めちゃうもんね。
外れることの恐怖
うちは親が教師で、子供の頃から、価値観の第一位は勉強でした。テストで点数が取れなくて、学校の教室で泣いてしまったこともあるくらい、点数が取れないと「人としてダメだ」と思っていました。
当然「勉強」の先には「進学」があり、その先には「就職」(女子の場合は、結婚、という方向性も)。しかしながら、私自身はある時期から、このレールをはみ出してしまい、その後正規ルートに戻ることができませんでした。結果として、収入や地位や色々な面で同年代より劣ってしまったというコンプレックスがあり…息子には、正規ルートから外れてほしくない、と願ってきたような気がします。
しかし、この本で、私の思うところの社会的成功に乗り遅れた著者の幸せな姿に、目からうろこが落ちました。週に2日しか働かなくても出費を押さえて幸せに生活しているリアル。自堕落とは対極の健康的な生活を楽しく心穏やかに、しかも日々読書をしてインテリジェンスに。気持ちにも体力にも余裕があるので、困っている友人や第三者をできる範囲で助けてあげられるようにもなったそうです。
「外れもの」になることも“あり”だと知る強さ
終身雇用が崩壊した現在、仕事に大切な時間や健康を捧げたとしても、一生涯の雇用が保証されるわけではありません。金銭的に報われるとも限りません。仕事やお金に振り回されない生き方は、新たな幸せの追求でもあると思うのです。
「ここから外れたらおしまいだ」と思い続けることは、心をつぶしてしまいかねません。正規ルートを外れたっていい。「外れもの」という生き方もある。大原さんの姿に、道は一つではないと教えてもらったような気がしました。
そんなわけで、息子にもぜひ読ませたいと思った1冊でした。バブルの価値観を引きずる母には教えられない多様な生き方を学ぶことで、しなやかな強さを身につけてほしいと思うのです。
「お金」を使わない生活のルポタージュとしては、下記の本も面白かったです!長くなってしまったので、下の本の書評はまた今度書きたいと思います。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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