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年を取ること、老いていくことは、未知との遭遇

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「年を取っていくことは、本当に初めての経験で、未知のことだらけ」

まだ40代だった私に、一回りほど年上の友人が言った言葉です。

当時は「なんだか不思議なことを言ってるな」という感覚で、あまりぴんと来なかったのですが、最近は折につけ彼女の言葉を思い出します。

 

更年期障害らしき謎のだるさが日々続く

老眼が進んで、読書やスマホがとんでもなく不自由

ぐっと疲れやすくなり仕事でもプライベートでも無理がきかない

年を取っていく未来がリアルになり漠とした恐怖を感じる

年金のことを真剣に考える

 

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どれもこれも、これで解決!という策はなく、ウォーキングしてみる、とか、目によさそうなサプリを飲んでみる、とか、おつきあいの仕方を考えていくしかないあれこれ。

年を取ること、老いていくこと、は「人類」にとっては至極当たり前のこと。しかし、個々の一人ひとりにはどうしようもなく初めての体験なのですね。

これまでと違っていく体を受け入れ、見た目を受け入れ。

そんな「当たり前」を自分の人生にリアルに感じたとき、冒頭の「未知のことだらけ」という友人の言葉が大きく心に響くようになりました。

当時の彼女も、「自身の老い」を、日々のさまざまなことから意識し始めた時期だったのでしょう。

 

「人生をコントロールできる」という感覚が幸福感を生む

そんなことを考えていた時期に読んだのが『自分の価値を最大にする ハーバードの心理学講座』(ブライアン・R・リトル/児島修訳/大和書房)という1冊。

 

自分の価値を最大にするハーバードの心理学講義

自分の価値を最大にするハーバードの心理学講義

 

 

「第5章 主体的に人生を生きるー運命はどのくらいコントロールできるのか?」という章に次のような1節があります。

本書では表現を簡略化するために、問題を自分でコントロールできると考えている人を「自己解決型」、他社や環境に依存する人を「他社依存型」と呼びます。この「人生をコントールしているという感覚」は、性格の一部と見なしてもいいくらいに安定して変わらないものではありますが、経験によって変化する場合もあります。また多くの研究成果では、「自己解決型」のほうが、幸福度や成功に大きくプラスの影響をもたらすことを示しています。

 

問題を自分でコントールできる、という感覚を持つ「自己解決型」タイプの人は幸福度が高い、ということなのですが、一方で、高い感覚を持つ人ほどコントロールを奪われたときに打ちのめされる、という話しも出てきます。

 

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作者の大学の学生で、他の学生よりも10歳ほど年上だった女性が授業で書いたエッセイの事例。彼女は、20代後半まで多くの達成や成功をし「人生をコントロールしている感覚」を強く持っていましたが、その後、「無慈悲に人生の道筋が変えられてしまう」「辛い出来事」に出会います。

事故で子どもを亡くしたこと、信頼していた人から裏切られたこと、離婚―。(中略)自分はこうした大きな試練をなんとか乗り越えてはきたが、この試練によって、それまで味わってきた人生の喜びの一面が失われてしまった、と締めくくっていました。

 

コントロールが難しい「病気」と「老い」

彼女が書いているように自分の大切な人の死、というのは最もコントールすることが難しく、そして、人生に計り知れない打撃を与えてくる出来事だと思います。

そして、続いて、コントール不能なものが、きっと「病気」「老い」なのだな、と感じました。

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最近の自分が感じている、未来への漠たる不安。

その正体は、人生のコントロールが自分でできなくなることへの不安なのだ、と、この本を読んで、とても腑に落ちた気がしました。

 

人生のステージが変わるとき

ある程度年を経た女性なら経験があると思うのですが、

昨日まで普通に来ていた服がある日突然似合わなくなる

そんなことありますよね。

 

「おっ、人生のステージが変わったよ」と考えるようにしていたんですが、

今後はコントールできない出来事が増えていく年代。さらなる新しいステージの始まりなのかも知れません。

70代、80代の人から見れば、50代なんてまだまだ若く、「老い」などという言葉を使うことすら、ちゃんちゃらおかしい世代。でも、だからこそ、「初めて」に最も怯える年代なのかも。

 

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「前向き」とか「ポジティブ」という言葉は、何だか「遠く」「軽薄」に感じられることがあります。

現実を見つめて、自分の手綱が握れなくなったときも、できることを日々小さく重ねていく。

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年を取ることは、本当に「未知との遭遇」。

でも、そんなことの繰り返しとちょっとした幸せの積み重ねの果てに、ふと気づいたら70代80代の自分がいる。そんな風に年を取れたら、いいですね。

 

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