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「東大」と「学歴」について考察するならこの3冊

TBSの「東大王」やフジテレビの「さんまの東大方程式」など、東大生をウリにする番組が、ここ数年、増えていますよね。ちなみに、東大生と芸能人チームをクイズで競わせる「東大王」が始まったのは2017年からだそうで、伊沢拓司さん「医学部のプリンス」と言われた水上颯さん、紅一点の鈴木光さんなど、タレント顔負けの人気者たちを生み出しています。

https://www.tbs.co.jp/toudaiou-TBS/

 

ちなみに、うちの家族もこれらの番組が大好きで、私も一緒に見ているうちに、

今どきの「東大」「東大生」という存在

にとても興味がわきまして、いろいろ本を探して読んでみました。ということで、今回は、「今どきの東大、学歴について考えを巡らせるならこの3冊」というのをまとめてみました。

 

今どきの「東大」「学歴」について考えを巡らせるならこの3冊

  1. 樋田敦子「東大を出たあの子は幸せになったのか」
  2. 姫野カオルコ「彼女は頭が悪いから」
  3. 桜井信一「下剋上受験」

 

 

樋田敦子「東大を出たあの子は幸せになったのか」

 

東大を出たあの子は幸せになったのか~「頭のいい女子」のその後を追った

東大を出たあの子は幸せになったのか~「頭のいい女子」のその後を追った

  • 作者:樋田敦子
  • 発売日: 2018/11/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

東大を卒業した、いわゆる「頭のいい女子」のその後の軌跡を追ったルポ。福島みずほさんが語る

「女の子って何がしんどいかというと、アクセルとブレーキを一緒に踏むようなことがたびたびあることなんです」

という言葉が心に痛い。頭がよくても学歴が高くても幸せになれるわけじゃない、そんな女子特有のアンビバレンツが描かれています。

そしてもう一つ感じたのが、東大卒女子たちのアクセルの踏み方のすごいこと。これだけのアクセルを踏みこめる、しかも長期にわたって。そのポテンシャルがすごいな、と。「東大に行ける」「行きたい」などと、これまで一度たりとも思ったことはないですが、一生何かに向けて挑戦し続けてそれを楽しめるような人ってすごいです。自分にはできません、としみじみ思いました。

 

そして、私がこの本で驚いたことは東大生の現実。2016年の「学年性格実態調査」によると、

◆東大入学者の家庭の所在地

67.8%が関東、そのうち東京都が31.4%、東京都以外の関東が36.4%。

◆家計支持者

父が93.5%。母親の36%が無職の専業主婦。

◆家計分布

950万円以上1550万円未満の層が増加

 

 このデータ、かなりびっくりしませんか?

一概に言えることではないですが、「東大」に入るためには、首都圏に住んでいて、両親が一般家庭レベル以上の金銭力と教養を持っている、それが大きな条件になっていることを感じました(もちろんがそれがすべてではないです、誤解なきよう)。

あっ、そして余談ですが、「この、ハゲー!!」で有名になった豊田真由子さん実は東大卒。あの事件の前に春の園遊会でもトラブルを起こしている、というエピソードも掲載されています。

                                                                          

姫野カオルコ「彼女は頭が悪いから」

 

彼女は頭が悪いから (文春e-book)

彼女は頭が悪いから (文春e-book)

 

肩書は「非さわやか100%青春小説」。実際にあった東大生5人による強制わいせつ事件(被害者は東大生ではなく女子大)がモデル。独特の選民意識や東大生に限らない女性への差別感覚など、複合的にさまざまなことを考えさせられる小説です。姫野カオルコ独特のシニカルさが冴えわたります。

 

 

桜井信一「下剋上受験」

 

 学歴を考える、という意味でこの本もぜひあげておきます。

TBSでドラマ化され、阿部サダヲと深田恭子が夫婦を演じたので、ご存知の方も多いかも知れません。その原作本。作者は「中卒」。そして、本によると「妻も中卒、私の両親も中卒」という家庭環境だそうです。

「代々中卒、その中卒が子どもを産み、勉強をさせるという発想すらなく、また中卒を育ててしまう」という「負のスパイラル」

をどうにかして断ち切ろうと、文字通り時間も健康も父親のすべてを捧げて、娘に難関中学を目指すための勉強をさせる、というお話です。

(以下ネタばれ)

 

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結果的には第一志望ではなかったものの、名前は伏せていますが、超難関中学の一つに娘は合格します。塾には一切いかずに、父と二人三脚で勉強する、というやり方で。

「東大を出たあの子は幸せになったのか」で、東大に入学するような一般的な家庭像のデータをあげましたが、

真逆の環境から、自力で這い上がってやろう、と思い、そして実際に這い上がった、ところがすごい!!

 

しかし、何より私が一番すごいと思ったのは、結果的にこの「下剋上受験」という本が売れ、ドラマ化にもなり、作者の桜井信一さんが社会的に成功したこと。

 

どんなに自分と娘が勉強を頑張っても、越えられない壁の一つにやはり「お金」という問題がある気がしていて、「こんなにも頑張っているのに、私立中学に行かせるお金をこのお父さんは出せるんだろうか?」と正直途中で心配になりながら読んだのですが、娘との勉強生活を執筆することで、その進学資金も稼ぎ出した!! そこが実はこの「下剋上受験」の一番すごいところではないか、と私は思っています。

後書きで、娘さんが、現在の環境をくれた父親に感謝しているのですが、お父さんの独りよがりでなくお子さんの幸せに繋がっていることもよかった!